アニメが72pでヌルヌル動く!Radeon RX550で驚愕のフレーム補間機能「Fluid Motion」を体験してみた

PCパーツ

fluidmotionとは秒間24フレーム(24p)や30フレーム(30p)の映像について、中間フレームを生成することで秒間60フレーム(60p)や72フレーム(72p)の滑らかな映像に補間する技術です。

特にアニメは24pでの再生を前提としているため、60pや72pへフレーム補間することでアニメのキャラクターや背景などが驚くほど滑らかな動きをするようになります。

フレーム補間技術はfluidmotion以外にもSVP(Smooth Video Project)などがあります。

前回はRyzen APUで「fluidmotion」を使用しましたが、今回はRadeon RX550を使用して fluidmotion機能について体験しました。

fluidmotionはAMDの一部のグラフィックカード(GPU)またはRyzen APUで、簡単に無料で使うことができますので対応GPUやAPUを使用している方は、是非fluidmotionを体験してみてはいかかでしょうか。

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fluidmotion機能をテストしたPCの構成

今回使用したPCの構成です。

 PCパーツ  製品名
 CPURyzen 5 3600
 CPUクーラーScythe 無限五 Rev.B
 メモリCFD W4U3200BMS-8G(8GBx2枚組)
 マザーボードASUS TUF B450-PRO GAMING
 グラフィックカードSAPPHIRE PULSE RADEON RX 550 2G GDDR5
 SSDCrucial MX500 250GB(2.5inch SSD)
 ハードディスクWestern Digital WD10EACS 1TB(3.5inch HDD)
 ケースAntec Solo Ⅱ
 Blu-rayドライブLITE-ON iHOS104
 電源Antec NeoEco Gold 750W 
 OS(Operating System)Windows10 pro

余ったPCパーツを再利用したパソコンです。

CPUはAMDの Ryzen 5 3600 なので、CPU単体ではfluidmotion機能を使用することができません。

そのほかPC性能面で特筆すべき点はありません。

AMD Radeon RX550の概要

AMD Radeon RX550はfluidmotion機能を利用できるグラフィックカードです。

TDP50Wで補助電源を必要としない省電力な製品です。

しかし2022年1月現在、Radeon RX550を購入する事が難しい状況になっています。

終売したモデルが多いうえ、暗号資産バブルの影響でRadeon RX550も品薄かつ価格高騰しています。

そんな中、以前ヤフオクにて7,000円程度で購入したSAPPHIRE PULSE RADEON RX 550 2G GDDR5を使用してfluidmotion機能を試してみました。

1スロットだと思って購入しましたが、ファンの厚みで実際は2スロット分使用するグラフィックカードだった(泣)。

映像接続端子は左から、DVI端子、HDMI端子、DP(ディスプレイポート)端子の3つあります。

fluidmotionで72pへフレーム補間するために必要なもの

120Hz以上の、PCモニターまたは液晶テレビ

通常のPCモニターや液晶テレビはリフレッシュレートが60Hzです。

これは、ハードウェア(機械)として最大60Hzまで表示可能ということなので、それ以上の表示(72pなど)はできません。

なのでfluidmotionで72pへフレーム補間するには、リフレッシュレートが72Hz以上のPCモニターや液晶テレビが必要です。

フレーム補間された動画を鑑賞したところ、60p補間よりも72p補間の方がより動画が滑らかに描写されていました。

fluidmotionで60pへのフレーム補間で十分だと思う方は、普通の60Hzの製品で大丈夫です。

GCN世代のコアを採用した、グラフィックカードまたはAPU

・HD7xxxシリーズ以降のGCN(Graphics Core Next)世代のコアを採用した、グラフィックカード

  Radeon HD7xxxシリーズ ~ Radeon RX5xxシリーズ

     ※「RDNA」コアを使用したRadeon RX 5500シリーズ以降のグラフィックカードは未対応です

・GCN世代のコアを採用したAPU

   A6-7400K(Kaveri)~ Ryzen APU

「fluidmotion」機能を有効化するための設定

まずは、Bluesky Frame Rate Converterをここからダウンロードします。

2022年1月現在、Ver3.5.0が最新バージョンです。

必要なランタイムもインストールしておきます。

Bluesky Frame Rate Converterをクリックして開き、設定をおこないます。

出力は「自動」にしておけば、PCモニターや液晶テレビのリフレッシュレートによって60pか72pに自動的にフレーム補間してくれます。

次に動画再生ソフトのMPC-BE(Media Player Classic Black Edition)の設定をおこないます。

MPC-BEのオプションの外部フィルターへ「 Bluesky Frame Rate Converter 」を追加登録します。

これで「fluidmotion」を有効化するための設定が終わりました。

MPC-BEでfluidmotion機能により72pへフレーム補間されているか確認

早速、MPC-BEで24pのアニメ動画を再生して72pへフレーム補間されているか確認してみました。

著作権の都合上、アニメ動画をそのまま載せられないのでキャプチャ画像の一部を載せておきます。

Radeon RX550でも問題なく無事24p→72pへのフレーム補間ができました。

Radeon RX550におけるfluidmotion機能使用時のGPU使用率

前回はAPUでの負荷率を調べましたが、今回は外部GPUのRadeon RX550の負荷率を計測しました。

1920×1080 x264 AAC 24p」の動画(Ryzen APUの時と同じ動画)を用意し、MPC-BEで再生しました。

まずは1920×1080の動画を72pで再生してみました。

室温29.3℃の条件下のため、GPU温度は参考値と考えてください。

1920×1080の動画を72pで再生した場合のRadeon RX550のGPU使用率は52%でした。

Ryzen 7 PRO 4750を使用した場合のGPU使用率は55%だったので、Radeon RX550とあまり変わりません。

次に 1920×1080の動画を60pで再生してみました。

1920×1080の動画を60pで再生した場合のRadeon RX550のGPU使用率は44%でした。

Ryzen 7 PRO 4750を使用した場合のGPU使用率は37%だったので、Radeon RX550の方がGPU使用率が高くなってしまいました。

テストに使用したPCのシステム構成やBluesky Frame Rate Converterのバージョンなど異なっているため、単純な比較はできませんが更なる検証が必要です。

外部GPUのRadeon RX550はPowerDVDでfluidmotionが使用できる

以前レポートしたRyzen APUでは、残念なことに「PowerDVDでのfluidmotion機能有効化」はできませんでした。

しかし、グラフィックカードのRadeon RX550ではブルーレイ再生時に限りPowerDVDでのfluidmotion機能が有効化できます

Blu-rayドライブを使用して、ブルーレイアニメをPowerDVD19 Ultraで再生してみました。

PowerDVDでBD再生時はスクリーンショットが使用できなかったため、PC画面をスマホで撮影しました。

ブルーレイアニメを再生すると「AMD Fluid Motion(ブルーレイ向け)」が表示され、自動的に有効になりました。

ブルーレイの綺麗な画質の動画がヌルヌル動きます。

ブルーレイアニメを fluidmotion機能を有効化して再生できる至福な環境が構築されました。

なんと「Youtube」動画も「fluidmotion」機能でフレーム補間できる!

Rdeon RX550を組み込んだHTPCですが、youtube動画も「fluidmotion」機能でフレーム補間できることが分かりました!

「Youtube」動画を「MPC-BE」メディアプレーヤーを使用することにより、「fluidmotion」機能を効かせた再生ができます!

こちらの記事を参照してください。

YouTubeにも対応!!「MPC-BE」でfluidmotionのヌルヌル感を体験しよう!
「fluidmotion」機能を使用した「MPC-BE」のメディアプレーヤーで「YouTube」のアニメ動画をフレーム補間して視聴することができました。

まとめ

AMD Radeon RX550のグラフィックカードをPCに載せることでfluidmotion機能を簡単に有効化することができます。

AMD Radeon RX550を使用するメリットは、fluidmotion機能に対応していないIntel製CPUを搭載したPCでも、AMD Radeon RX550をPCに取り付ければfluidmotion機能を利用できることです。

しかし、現在のAMDグラフィックドライバーではfluidmotion機能を有効化する項目が表示されないため、「Bluesky Frame Rate Converter」という外部ツールを用いてfluidmotion機能を有効化する必要があります。

「Bluesky Frame Rate Converter」は、MPC-BEなどのDirectShowに対応したプレイヤーに対応しており、MPC-BEの設定をすることでfluidmotionのフレーム補間機能を使用することができます。

50インチ液晶テレビなどの大画面でブルーレイアニメを滑らかに映して鑑賞したい場合、Radeon RX550を使用することでPowerDVDのブルーレイ再生時にfluidmotion機能を有効化することができます。

大画面での動画鑑賞用途にRadeon RX550などのグラフィックカードを是非購入してみてはいかがでしょうか。

Radeon RX550 を使用したHTPCの例

PCゲームを快適にプレイできるだけでなく、Fluidmotion機能を利用したBDアニメ動画鑑賞もできる、よくばり仕様のHTPCを組み立てています。

こんなPCも存在するんだと参考になれば幸いです。

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