我が家のパソコンをAM4からAM5環境へ移行するにあたり、当初は「安いAM5CPU+安いX670Eマザーボード+普通のDDR5メモリ」のみ購入し、グラフィクッカード「RTX3080 12GB」やコルセア電源850Wなどは流用して格安でAM5環境にしようと目論んでいました。
しかし、RTX5070tiの特価販売から状況が大きく変わってしまい、次々とPCパーツを購入していってしまったのでした(泣)
「Ryzen 7 9800X3D」+「GeForce RTX 5070 Ti」の構成に見合ったPCパーツを揃えたら、合計47万円程度に予算が膨れ上がってしまいました!
購入してしまったものは仕方がありません!
初期不良交換の期限が過ぎたパーツもありますが、早めに組み立てて動作検証しなければなりません。

RTX5070ti の初期不良交換期限がこのままだと1週間だった件
ドスパラで「RTX5070ti 16GB」を購入したのですが、そのままだと初期不良交換の期限が7日間です。
そこでドスパラアプリの会員特典の一つに、「初期不良対応期間の延長」があります。
ドスパラアプリにログインする事で、通常7日間の初期不良対応期間が30日に延長される特典が利用できます。
私はドスパラアプリをインストールしていないため初期不良交換期限が7日です。
なので交換期限が過ぎて、十数万円もするグラフィックカードが初期不良だったら泣いてしまいます。
2025年3~4月の間の情報によると、GeForce RTX 5070 Ti にもROP欠けの不具合があることが知られ、不具合品は本体交換が必要になります。
さっそく動作確認をおこないます。
適当なミニPCと外付けGPUドックへ繋げてGPU-ZでROP欠けの不具合が無い事を確認しました!


その後ベンチマークソフトを走らせて無事完走することを確認しました。

グラフィックカード「RTX5070ti 16GB」は問題無く動くことが分かりました。
これでCPUをマザーボードに装着してメモリをはめていく作業に入っていくことができます。
CPUをマザーボードへ取り付ける
まずマザーボードを外箱から取り出します。
「MSI MPG X670E CARBON WIFI」の外観はこのような感じです。

マザーボードを手に持つと、ずっしりとした重みがあります。
AM5は、マザーボードのCPUソケット上に無数のピンが立ってますので手で触って曲げたり潰したりしないよう気を付けましょう!

CPUソケットに「Ryzen 7 9800X3D」を取り付けます。

CPUパッケージにはCPUクーラーが付属しておらずシンプルな包装です。
CPUとソケットの位置を合わせて、CPU置くように載せるとストンとハマります。

AM5のCPUは奇妙な形のヒートスプレッダをしています。
どこまで効果があるのか分かりませんがCPUガードプレートが販売されています。

CPUガードプレートを取り付けると・・・

CPUにピッタリはまりました!
次にCPUクーラーの台座を取り付けます。
CPU四隅のネジを外して純正のプラスチック爪を外します。
そして赤いプラスチックをハメます。

その上に「AM4」の刻印のある金属製の台座をネジ止めします。
安心してください。「AM4・AM5」共用の台座です。

CPUヒートスプレッダ上にCPUグリスを薄く塗ってから、CPUクーラーを取り付けます。

こうしてみるとマザーボードが小さく見えますね!
メモリをマザーボードへ取り付ける
CPUファンを取り付ける前に、メモリを装着します。
なぜかというと、向かって右側のCPUファンを取り付けてしまうと、CPUファンのちょうど下側にメモリスロットがあるためメモリが装着しにくくなってしまうからです。
こちらのメモリを2枚メモリスロットに差し込みます。
JEDEC準拠の「Crucial CP2K64G56C46U5 DDR5-5600 64GBx2(128GB)」です。

マザーボード上のA2B2のメモリスロットの位置に、メモリを装着してください。

そしてCPUファンを取り付けます。
こうしてCPUファンを見ると壮観ですね!
これなら「Ryzen 7 9800X3D」も十分に冷却できそうです。

CPUファンとメモリの間には余裕のスペースがあり、干渉は問題ありません!

これでマザーボードへCPUとCPUクーラー、メモリを装着できました。
これで最小構成のPCパーツの取り付けができたことになります。
この時点で私は「もう早くBIOS画面を出して動作確認をしたい衝動」に駆られてしまっています。
PC電源の確認
最小構成のPCを起動させるには必ずPC電源が必要です。
今回選んだのは「CORSAIR RM1200x Shift White 1200W CP-9020276-JP」です。
電源容量が1200Wとか、組み立てるPCには完全にオーバースペックですね。
将来のグラフィックカードのスペックアップを見据えて奮発してしまいました!

中身は「電源本体、各種ケーブル、電源ケーブル、結束バンドとネジ」の至ってシンプルな構成。

PC電源本体です。

「RM1200x Shift White」の名の通り、白色の電源で本体側面に各ケーブルを繋げる端子が付いています。
何で側面に端子があるという構造になっているかというと、最近のPCケースは背面に各種ケーブルを通すことでマザーボード表面をスッキリさせ見栄えを良くするのが主流になっています。

これから電源をケースに取り付けた時に「配線のしやすさ」に威力を発揮することになります。
今は最小構成でPCを立ち上げることが目的なので「メイン24ピン端子」と「ATX 12V(EPS 12V)端子」のみをPC電源からマザーボードへ簡易的に繋ぎます。
最小構成でのPC起動確認
これでPCパーツの最小構成でのPC起動確認の準備が整いました。
PCモニター(液晶TVでも可)とマザーボードのHDMI端子をHDMIケーブルで繋ぎます。
PC電源本体のスイッチを忘れずにONにしてください。
これは「自作PCあるある」のトップに君臨するミスで、PC電源本体のスイッチをOFFのままマザーボードの電源スイッチをONにして「よし起動!」と思った矢先に「PCがうんともすんとも動かず焦るわ・冷や汗がでるわ」の体験です。
マザーボード上の電源端子を金属ドライバーなどで適当にショートさせて電源ONにします。
CPUファンが回り出し、マザーボード上のLEDが点灯し始めます。
ですがPCモニターは真っ暗のままです。
自作PCに慣れていない方はここで凄い焦ってしまうかもしれませんが、AM5チップセットになってからメモリの起動がシビアになった関係で初回起動時にメモリトレーニングがあります。
メモリトレーニングの間は画面が真っ暗のため、「何でBIOSが起動しないんだ」と焦ってしまいますが数分我慢して待ち続けます。
ここが忍耐の時!!
メモリが128GBあったのかもしれませんが、体感5分くらい待ったと思います。
無事BIOS(UEFI)が起動しました。

「Ryzen 7 9800X3D」がちゃんと認識されていますし、メモリもデフォルト設定で「DDR5-5600の128GB」がしっかり認識されています。
JEDEC準拠の「Crucial CP2K64G56C46U5 DDR5-5600 64GBx2(128GB)」は何も設定しなくても5600MHzで128GBのメモリ容量が使用できるのが強みですね!
BIOSは古いバージョンですが、BIOSアップデートや細かいBIOS設定は後に回します。
最小構成でPC起動したのが確認できたため、後はSSDをマザーボードに取り付けてからPCケースに組み込みます。
この時点でほぼ「約束された勝利」の状態だといえます。
NVMe SSD の取り付け
PCケースに最小構成のマザーボード類を組み込む前に「NVMe SSD」を取り付けます。
なぜかというと、PCケースにマザーボード類を組み込んだ後でも「NVMe SSD」は取り付けられますが、その場合PCケースを横に倒して上からのぞき込む形になるので体全体の体勢が不自然な形となり、主に腰などに負担が掛かるリスクがあるからです。
PCケースにマザーボード類を組み込みたい衝動を抑えながら、「NVMe SSD」をマザーボードへ取り付けます。
CPUに近い上2つの「NVMe SSD」がPCIe Gen5対応であり、レイテンシも少ないSSDスロットです。
OS用SSDはこの赤丸のスロットに取り付けます。

下記写真の金属部分を右側へ押し込むとヒートシンクが簡単に外れます。

上側のヒートシンクが外れました!
マザーボード上のNVMe SSDスロット上に熱伝導シートが貼り付けられており、ビニールが被されてていますので剥がします。ビニールには「REMOVE」(取り除く)の印字がされていますね!

このスロットに取り付けるNVMe SSDはこちら
「Crucial T500 CT2000T500SSD8JP 2TB」です!

NVMe SSDは金属ネジで取り付けるのではなく、マザーボード上のクリップキットを90°回転させるだけで簡単に取り付けできます。

後は取り外していたヒートシンクを上から被せて押すだけでカチッとハマります。

ツールレスでSSDの取り付けできるのはとても楽ちんですね!!
次に4TBのデータ保管用のSSDを2枚マザーボードに取り付けます。
「Ediloca EN870 SSD 4TB PCIe 4.0 NVMe M.2 2280」です。

中身はこんな感じです。4TBながら片面実装のSSDですね。

このSSDはPCIe 4.0対応NVMeスロットの2か所に取り付けます。
下記写真の赤丸4か所のネジを外してヒートシンクを外します。

同じようにマザーボード側面の熱伝導シートに付いているビニールを取り除いてからSSDを取り付けます。
上のPCIe Gen5対応NVMe SSDスロットと違い、SSDは金属ネジで留めるようになっています。

説明し忘れていましたが、PCIe Gen5対応NVMe SSDスロットも同じく取り外したヒートシンク側にも熱伝導シートが付いていますので忘れずに剥がしてください!

ヒートシンクのネジをはめて、ヒートシンクを元の状態に戻します。

ここでは説明を割愛しますが、上から2番目のPCIe Gen5対応NVMe SSDスロットには「EXCERIA PRO SSD-CK2.0N4P/J 2TB」を取り付けました。
将来的にはゲームのデータ容量が圧迫されてきた時にPCIe Gen5対応の4TBのSSDへ交換する予定です。
これでPCケース内に取り付ける準備が終わりました。
PCケースへのPCパーツの取り付け
PCパーツを取り付けるPCケースはこちらの製品です。
「Fractal Design Pop Air RGB White TG Clear Tint」

PCケース前面と上面がメッシュになっており空気の流れを確保して冷却性を保っています。


このPCケースの最大の欠点がケース上面に電源ボタンやUSB端子などを配置しているためか、簡易水冷は240mmまでのものまでしか対応していません。
今回は空冷CPUクーラーを使用するので全く問題がありません。
電源ボタンや各種端子はPCケース上面前側に配置されています。


「Fractal Design Pop Air RGB White TG Clear Tint」のもう一つの欠点として、PCケース上にUSB3.2 TypeC端子が標準で付いていないことです。

別途「USB TypeC端子ケーブル」を購入しなければなりません・・・

とりあえず「USB TypeC端子ケーブル」を取り付けておきます。

次にPC電源ケーブルをPCケースに取り付けます。
PCケースと白色のPC電源がしっかりマッチしていますね!

これでやっとPCケースにマザーボードなど最小構成PCパーツ一式を取り付けられます!

PCケースにマザーボードなど最小構成PCパーツ一式を取り付けが終わったら、一度PC電源本体からの各種ケーブルをマザーボードに繋げます。
PC電源本体からのケーブルは「メイン24ピン端子」「ATX 12V(EPS 12V)端子」「12V-2×6(16ピン)」「SATA電源コネクター」などがあります。
また、CPUクーラーとケースファンからのファンケーブルもマザーボードへ接続します。
必要に応じてケースファンなどからの「ARGBケーブル」もマザーボード上のARGB3ピン端子へ接続します。
このPCケースの裏面配線時に、PC電源本体からのケーブルの繋げやすさを実感することができます!
グラフィックカード「GeForce RTX 5070 Ti」の取り付け
そしてグラフィックカード「GeForce RTX 5070 Ti」を取り付けます。


PC電源とグラフィックカード「GeForce RTX 5070 Ti」を12V-2×6(16ピン)で接続して、グラフィックカードのGPUステイを取り付けたらひと段落です。

ここまで来たら組み立ては9割がた終了しています。
残りはもう一度自作PCの起動確認と、HDD(ハードディスク)の取り付けだけです。
どちらが先でも構いませんが、個人的にはここまできてPCが動かなかったら心理的に大ダメージを食らうため、ここでもう一度PCの起動確認をおこないます。
今回はBIOSアップデートや各種設定を行うのでUSBマウスとUSBキーボードを繋げて電源ボタンを押します。
バッチリBIOS(UEFI)が起動しています。

最新のBIOSアップデートをおこない、様々なBIOS設定をします。

HDD(ハードディスク)の取り付け
HDD(ハードディスク)はPCケース付属のアタッチメントの金具へ装着してから、PCケースへ取り付けます。

取り付けたHDD(ハードディスク)は「 東芝 MG08ACA16TE [16TB SATA600 7200] 」です。

残りの流用HDD(ハードディスク)2個も同じようにしてPCケースへ取り付けて電源ケーブルとSATAケーブルを繋げます。
自作PCへWindows11 proをインストールする
とうとう組み立て上がった自作PCへWindows11 proをインストールします。
Windows11 proは最新バージョン「24H2」が数々の不具合を起こしているため、取り敢えず「23H2」のバージョンをインストールしてライセンス認証することにしました。
注意点としては「23H2」のバージョンのサポート期限が、2025年11月11日までということです。
それまでの間に、「24H2」の安定ビルドへアップデートする必要があります。
USBメモリにWindows11 pro「23H2」バージョンのインストールディスクを作成してOSインストールをするとスピーディーにインストールが進んでいきます。
OSインストールが終了したら、最後に各種デバイスのドライバーをインストールしていきます。
チップセットドライバや「GeForce RTX 5070 Ti」のグラフィックドライバ、サウンドデバイスドライバ、LANドライバ、無線LANおよびBluetoothデバイスのドライバなどを順番にインストールしていきます。
Windows11 pro上で「Ryzen 7 9800X3D」や「DDR5-5600 128GBメモリ」がしっかり認識されています。

実はこれで自作PC完成ではなく、心配症な方はメモリエラーが無いか「MEMTEST86」などメモリテストツールで確認しています。
「MEMTEST86」の簡易テストが2Passしました。128GBだと4時間以上かかりますね!

メインメモリの速度が10.1GB/sという表示になっているのが謎ですが、単純にこのバージョンの「MEMTEST86」がDDR-5 5600 64GBx2(128GB)に対応していないだけだと思われます。
本当は「OCCT」の負荷テストや、「MEMTEST86」4Passが通らないと安定動作できるとはいえないという方もおられますが、今回はこれで自作PCは完成とします。

一応ARGB端子にも接続しておいたのでケースファンが光っています!!
私はこのPCを床置きする予定だったのでLEDイルミネーションはおまけ程度です。
気になる自作PCのベンチマークは?
完成した自作PCのベンチマーク数値が気になります。
私はあまり多くのPCゲームをプレイしないため、ごく一般的なFF14ベンチのみ載せておきます。
1920×1080 FHD 最高品質のスコアです。


何も言うことが無いほど十分早いですね。
FF14ベンチマーク注のPCパーツ各種パラメータです。
HWMonitorの数値がどこまで正確か分かりませんが、CPU温度は最高73.8℃に収まっています。
「Ryzen 7 9800X3D」の焼損事例に関係する「CPU_VDDR_SOC」の数値も最高1.198Vと1.2Vを切って安定しているように見えます。

上記HWMonitorの数値に異常があると感じられた方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。
JEDEC準拠の「Crucial CP2K64G56C46U5 DDR5-5600 64GBx2(128GB)」でダメだったらもうお手上げです。
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