前回はOculus Quest2のAirLink接続について、Wifi6対応無線LANモジュール「MediaTek MT7921」を使用することにより直接ゲームPCと無線接続した記事でした。
Oculus Quest2のAirLinkはルーター経由の接続が一般的です。
そこでWindowsのモバイルホットスポット機能を利用して直接ゲームPCと5GHz帯の無線接続ができるとしたら遅延や通信スピードなど改善できるのではないかと考えました。
しかし、実際に接続してみるとなぜか「MediaTek MT7921」はOculus Quest2と「866Mbps」の通信速度でしか接続できませんでした。
「866Mbps」はWifi5の通信速度です。Wifi6で接続できているなら「1,200Mbps」になるはずです。
それでも予想外の収穫がありました。「NEC Aterm WG2600HP2」というWifi5規格対応ルーターを使用したAirLinkよりも、「MediaTek MT7921」をPCに組み込んでWifi5の5GHz帯を利用したモバイルホットスポット機能で直接Airlinkをした方がOculus Quest2のグラフィック描写がクッキリハッキリ鮮明に表示しているというものでした。
「クッキリハッキリ見える」という結果はあくまで主観的な評価なので、今回の実験ではルーター経由のAirLinkと「MediaTek MT7921」の直接AirLinkの2つの状態で、それぞれゲームPCからOculus Quest2へpingを飛ばすことにより通信状態を客観的に評価します。
ping値の結果
実験環境はOculus Quest2と「NEC Aterm WG2600HP2」のルーター間距離は約80cm、「MediaTek MT7921」に接続してあるアンテナとの距離も同じく約80cmの条件で測定しました。
まずは「NEC Aterm WG2600HP2」のルーターを使用したAirLinkでのping値です。
応答時間の最小値が2msで平均値は3msとなりました。
次に「MediaTek MT7921」を使用したAirLinkのping値を調べました。
応答時間の最小値が0msで平均値は1msとなりました。
通信状態を調べるping値の実験ですが、「NEC Aterm WG2600HP2」を使用したルーター経由のAirLinkよりも「MediaTek MT7921」を使用した接続の方が通信状態が良好という結果になりました。
まとめ
「NEC Aterm WG2600HP2」を使用したルーター経由のAirLinkよりも、「MediaTek MT7921」を使用した接続の方が通信状態が良好という結果は、Oculus Quest2のグラフィック描写の主観的な比較結果を裏付けるものとなりました。
AirLinkのビットレート設定はどちらも「最大200Mbps」にしていますが、同じWifi5の通信速度であってもゲーム画質に差が出てくるのは通信状態の違いからだと推測されます。
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