一時期安かったSSDの価格が最近徐々に上がってきています。
自作PCにNVMe SSDを導入した当初は記憶容量が2TBもあれば十分と考えていましたが、取り扱うデータ容量が増えてきた現在では、増設するには4TB以上のSSDが必須の状況になりました。
NVMe SSD(以下SSDと表記)はセルに記憶できるデータ容量によってTLCとQLCの製品が現在主に流通して販売されています。
またSSDにはキャッシュ用DRAMを搭載した製品があり、高価格帯のものが占めています。
それではキャッシュ用DRAMを搭載していないSSDは製品として大丈夫なのでしょうか?
DRAMレスのSSDはHMB(Host Memory Buffer)という、PCのメインメモリを少し借りてキャッシュとして使用する技術を搭載しています。
また、格安なSSDにはQLCのものが多くあり、商品ページに「QLC」と明記されていない製品が多数見受けられます。
QLCは、TLCと比較して連続データの書き込み速度が遅く、耐久性も低いため特に理由が無い限りは選ばない製品です。
しかし、PCIe4.0対応TLC NANDの4TB SSD の価格は軒並み3万円~4万円もします。
なんとか2万円台で購入できるTLCの4TB SSDは無いものでしょうか?


「ORICO IG740PRO 4TB」は定期的なセール時には2万円台で購入できるTLCの4TB SSDです。
通常価格は39,980円になっていますが、セール時には32,980円ほどになります。
そこからクーポンコードを入力することで29,682円へ割引されます。
Amazonの10%OFFクーポンコードはネットで検索して探してください。
いくつか候補が見つかりますが、どれか入力すれば当たると思います。

さらに、Amazonポイントアップやdocomoポイント還元など併用することで実質27,000~28,000円で購入することが可能です。
ちなみに私は自腹で購入したパーツの感想を素直に書くただのレビュワーです。
案件記事じゃないですからね! 万が一にも案件依頼が来たとしても、たいしたレビューはできないので・・・
ORICO IG740PRO 4TB のNANDチップ
「ORICO IG740PRO」はDRAMレスのHMB機能を用いたTLC NANDの製品になります。


商品ホームページには「産業用内蔵SSD」や「高耐久 3D TLC NAND搭載」と記載されており、期待が高まります。
かつて、「TLC NAND搭載SSD」とホームページに記載されていた全く別の会社のSSDに「QLC NAND」が使われていたことがあり、商品ホームページの記載を完全に信じて良い訳ではないとは理解はしています。
先達のブログにて「ORICO IG740PRO 4TB」は連続書き込み時の素のデータ転送速度が600~900MB/sと調査結果が出ており、20~100MB/sのQLC NAND搭載製品ではないなと判断致しました。
とはいっても、同じ型番のSSDでも製造の時期によってNANDの種類などを告知せず突然変更することが多くありますので実際には完全におみくじです。
さっそくどんなチップが搭載されているか見てみましょう!
まずはコントロールチップです。

SSDコントローラに「maxio MAP1602A」が使用されていました。
性能が良いと評判のSSDコントローラーです。
それではNANDチップを見てみましょう!


NANDの刻印が「YMN0ATF1B1JPAD TW003-U T2510T」となっています。
蝉族っぽい型番ですが、webで調べても詳しい情報はありませんでした。
「T2510T」って251層?
それともただの型番なのか・・・
さっそくPCに取り付けてみましょう。
ミニPCの空きスロットへ「ORICO IG740PRO 4TB」を取り付ける
今回「ORICO IG740PRO 4TB」を取り付けるPCはこちら、

ミニPCの「AOOSTAR GEM12 8845HS」です!


写真真ん中の赤いヒートシンクのSSDを「ORICO IG740PRO 4TB」へ変更しました。
Windowsを起動してディスク管理からSSDを設定すると・・・

Dドライブとしてしっかり「3.72TB(4TB)」で認識されています。
NANDチップの種類を識別する「Maxio nvme flash id」で確認できるのでしょうか?

このSSDも今流行りのNAND隠しで「Maxio nvme flash id」が通りません・・・
とりあえずSSDベンチの「CrystalDiskMark」でデータ転送の最高速度を測定してみます。

ミニPCのデータ用ドライブなので、読み込みが7400MB/s出なくても特に問題ありません。
ハッキリ言って、これだけ高速なデータ転送速度が出れば十分でしょう!
他のSSDにインストールしていた473GBのゲームデータを、「ORICO IG740PRO 4TB」へコピーしてみました。

数kb~数MBの細かいサイズのデータも沢山ありましたが、最初は4700MB/sのデータ転送で徐々にスピードが落ちてきて最後の方は3700MB/sになり、最終的に4分25秒でコピーとベリファイが終了しました。
Ryzen7 9800x3D+X670E CarbonのPCにも増設してみた
ミニPCへと増設した「ORICO IG740PRO 4TB」の快適さが気に入ってしまったので、もう一つリピート買いしちゃいました!!
私がゲーミングPCとして使用している「Ryzen7 9800x3D+X670E Carbon」のM.2空きスロットへ取り付けます。


4つあるM.2スロットのうち、上から2番目にあるPCIe 5.0対応のスロットです。

「ORICO IG740PRO 4TB」のデータ転送スピードはどのくらい出るのでしょうか?

シーケンシャル読み込み速度が7400MB/s以上とスペック通り出ました!!
まとめ
結局のところ「ORICO IG740PRO 4TB」はTLC NAND搭載なのかはハッキリ分かりませんでしたが、QLCのようなデータ転送速度が数十MB/sに落ちるような挙動はありませんでした。
他のブログサイトの方の検証結果からTLCではないかとの情報があります。
現時点では、大手メーカーのSSDと比較して信頼性の面で劣るかもしれませんが、TLC NAND SSDの4TBが2万円台で購入できるのは魅力的です。
SSD増設にあまりお金を掛けられない方にとっては選択肢の一つになる製品ではないでしょうか?
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