メモリやハードディスクの価格が高騰している件

PCパーツ

最近、メモリやハードディスクの価格が急激に上昇しています。

10月上旬に『予算20万円の白いゲーミングPC』を組み立てた際、メモリやハードディスクなどの価格がいきなり上昇していることに驚愕しました。

10月上旬に組み立てたゲーミングPCこちら

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メモリの価格高騰について

メモリに関しては8月頃より、DDR4 DRAMの主要メーカーが生産中止計画を発表しており、その後からDDR4メモリの価格が途端に急上昇しました。

DDR5メモリに関しては夏のセールがあったりと、あまり価格変動が見られないと思われていました。

しかし、9月下旬から大容量のDDR5メモリは品薄になり価格が上昇し始めました。

私も10月上旬にPCを組み立てた際に、大容量ではないですがDDR5-5600の「CP2K16G56C46U5 16GBx2」を14,818円で購入しました。

このメモリは1~2週間前までは12,000円台で販売されていたものでした。

最安値のPCショップは12,800円でしたが納期7~14日になっていたことと、他のPCパーツの初期不良保証期間内で組み立てたかったので仕方なく14,818円のPCショップで購入することになりました。

この時は、「今後は15,000~16,000円のレンジの価格帯になるのかな?」と甘い考えをしていました。

価格.COMより

その後、10月下旬頃になって急激に価格上昇がみられるようになりました。

その理由として、最初はDDR4メモリだけ価格上昇すると思われていましたが、DDR5についても追い打ちをかけるようにマイクロンだけでなくSamsung ElectronicsやSK hynixまでもがDRAMおよびNANDフラッシュの供給価格を最大30%という引き上げ幅の方針を顧客に提示したというニュースが舞い込んできました。

価格高騰の主な要因として、AI大規模モデルの普及により、AIサーバーに不可欠な「HBM(High Bandwidth Memory)」の需要が急激に増加しているからとのこと。

「HBM」はPC用メモリと比較して極めて収益性が高いため、DRAMメーカーは「HBM」に注力しており、そのしわ寄せでPC用メモリの品薄による価格高騰を招いているようです。

そして時期が悪いことにWindows10サポート終了によるPC買い替え需要とも重なってしまいました!

また、GeForceなどのグラフィックカードに使用する新規格GDDR7メモリや、汎用PCメモリのLPDDR5Xなど、汎用メモリに関しても今後需要が急拡大するため長期的な価格高騰が予想されます。

2025年4月に自作PC用に購入したメモリ

春先にPCパーツをシコシコ買い揃えていた時は、「使用用途のない大容量のメモリを買うなんて、購入した私はオカシイのではないか?」と自虐的に思っていましたが・・・

私が4月頃に4万2千円で購入した128GBキットの「Crucial CP2K64G56C46U5 DDR5 PC5-44800 64GB×2枚組」の値動きがこちら↓

価格.COMより

この上昇幅は異常ですね・・・

2025年夏頃より、AI用途でグラフィックカードのVRAMだけでなく大容量PCメモリも必要なことが分かってきたため、個人需要も急騰に寄与していると考えられます。

ホントに早めの時期にPCメモリを購入しておいて良かったです。

PCパーツについて「欲しい時が買い時!」というのも、あながち的外れな言葉ではないですね!

世間は「米の価格が高い!」と騒いでいますが、PCパーツ界隈も価格高騰の波が押し寄せてきました。

コメは「備蓄米」があるので低価格で購入する機会が残されていますが、メモリに関しては「備蓄メモリ」なんて無いですからね。

SNSでは「転売ヤーがメモリ買い占めに動いている」などの不穏な噂が流れていますし、一般の方も予備メモリ確保に躍起になっている状況なので、年末に向けてPCメモリが枯渇する可能性が高くなっています。

冗談に思われるかもしれませんが、極端な例だと『「CPU+マザーボード+メモリ」のセット販売しかしません!』などのような世界線も考えられます。

新たにPCを組み立てる予定の方は早めにPCメモリを購入した方がよいでしょう!

余談ですが、

今年2月に間違って28,033円で購入したDDR5-6000 32GBx2のメモリが・・・

2025年10月現在、38,990円になっていました。

Amazonより

そして10月28日の時点ではもう「品切れ」になってました・・・

大容量の低レイテンシメモリは早々に買い漁られているようです。

このメモリを何で間違って買ってしまったかというと、「Ryzen7 9800x3D+RTX5070ti」のPCを組み立てようと思った際、このメモリを購入した後に「OCメモリ使用によるRyzen7 9800x3Dの損傷事例」が多数報告されたためです。

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最近では「Ryzen7 9800x3D」と「特定のマザーボードメーカーの製品」との組み合わせで損傷事例が起こりやすいとの結論になりつつありますが、OCメモリーを使用するのはやはり躊躇してしまいます。

結局このメモリは使用せず、crucialの128GBメモリキットを新たに購入して新PCを組み立てたという裏話でした・・・

使用しなかった「Acer Predator Pallas II DDR5 6000MHz 64GB(32GBx2枚) CL30」は、当時ヤフオクで売却するにしても二束三文にしからならないので押し入れに保管することになりました。

メモリの価格がもう少し上昇すれば、なんとか購入時の値段で売却できそうです。

今後もPCメモリも更に高騰することが予想されるため、メモリは早めに確保しておきましょう!!

今なら「DDR5-5600 32GBx2」の64GBキットがなんとか購入できそうです。

まだ購入できそうな2万円台のADATA製「DDR5-5600 32GBx2」

CFDの64GBキットメモリ

ハードディスクの価格高騰について

PC用メモリと同じように、ひどい状態なのがハードディスクです。

AIデータセンターなどの需要急増により世界的にハードディスク製造に必要な部材が不足しています。

10月に入り、「Western Digital」のハードディスク価格が急上昇しました。

今まで1万6千円前後で販売されていた8TBのハードディスク販売価格が、急に2万~3万円になってしまいました。

価格.COMより

価格推移グラフを見ると、9月から既に2万円近くに価格上昇していたことが分かります。

価格.COMより

数年前は7千円で購入できた4TBのハードディスクも、現在では1万6千円と倍以上の価格になっています!!

Yahooショッピングより

価格推移グラフを見ると、「WD Blue シリーズ」の4TBは10月中旬頃から価格が急激に上昇していることが分かります。

8TBは2~3万円台へ価格高騰して、6TBもほぼ同じ価格レンジに上昇してしまいました。・・・となると予算1万円台で確保できるハードディスクは「4TBのWD40EZAXだ!!」ということで、こちらの製品の価格も上昇してしまったのだと思います。

価格.COMより

ハードディスクの価格高騰も、AI需要によるものなので今後も継続する可能性が高いでしょう。

今なら、「Seagate BarraCuda 24TB(ST24000DM001)」は容量単価が非常に優れるハードディスクなので是非1個確保しておくことをおススメします!!

正直WD80EAAZの価格が2万円以上に上昇してしまった現在、このハードディスクがなかったらデータ保管先が無くて詰んでた方が多数おられたのではないでしょうか?

「ST24000DM001」はまさに救世主のような存在ですね・・・

私も1個確保しちゃいました!

この記事を書いていて、押し入れに3年前に買った8TBの未使用ハードディスクがあったことを思い出しました。

「評判の高いEAZZ」でした。

今の自作界隈の状況を考えると、もったいなくて使用できないですね!!

メモリとハードディスクの価格高騰は一過性なのか?

メモリとハードディスクの価格高騰の理由は、AI関連の需要増によるものといわれています。

現在、AI関連の事業が急拡大しておりそれに伴う設備投資によって、メモリとハードディスクの品薄が起こっています。

PC関連のネットショップをみると、メモリなどは軒並み「受注生産」となっており納期1~2ヶ月の状態になっています。

ハードディスクも9月の時点で、部材不足により納期が延びているニュースがありました。

更に2025年10月14日でWindows10のサポートが切れてしまいました。Windows11に対応していないPCからの買い替え需要も相当数あったのだと思います。

以上の要因から考えられることは、PC買い替え需要は数か月で収束する可能性がありますが、AI需要はバブル状態のため今後1~2年は継続する予測の記事が多いです。

しかし、Windows11対応PCの買い替え需要についても不透明な部分があります。

Windows 10拡張セキュリティ更新 (ESU)プログラムで延命を図っている方々が『来年10月までの間に徐々にPCを買い替えていく需要』というのも侮れないのではないでしょうか?

最悪な想定として、PC買い替え需要が来年10月まで収束しそうもない場合は、メモリやハードディスクの価格は今後も高騰し続ける要因になることが考えられます。

安値を期待するあまり、「いつ価格が下落して購入できるか分からない」状況でヤキモキするより、とりあえずメモリとハードディスクを1個ずつ確保しておいた方が精神健康上よろしいのではないかと思います。

気付いたら今後はRTX5090やSSDなども価格上昇しそうな件

2025.11.1追記

この記事を作成している最中に気付いたのですが、『GeForceなどのグラフィックカードに使用する新規格GDDR7メモリや、汎用PCメモリのLPDDR5Xなど、汎用メモリに関しても今後需要が急拡大する』ということは、グラフィックカードやBTOパソコンも価格が上昇する恐れがあるということです。

Nvidia GeForce RTX5000シリーズに搭載されているGDDR7メモリだけでなく、GDDR6の価格も影響を受けますので、Radeonも含めたグラフィックカード全体も価格が上昇するかもしれません。

特にRTX5090は生産数を削減するのではないかとの情報も出てきたため、今後はRTX5090の販売価格が上昇していく可能性が高いと思われます。

こちら↓の記事の後半部分に詳細を追記しておきました。

Ryzen 7 9800X3D+GeForce RTX 5070tiの自作PCを「GeForce RTX 5090」へ換装してみた!
Ryzen 7 9800X3D+GeForce RTX 5070tiの自作PCを「GeForce RTX 5090」へ換装してみました!既にPC電源は1200Wで組み込んでいたため、RTX5090を購入するだけでOKです。約40万円もするグラフィックカードを購入するのは勇気が必要です。PCゲームメインの用途の方は躊躇するかもしれませんが、ローカル生成AIに触れている方には必須なグラフィックカードかもしれません。

当然、メモリ・ハードディスク・グラフィックカードの価格が上昇するということは、BTOパソコンの価格も上昇することが考えられます。

今現在、SSDの価格は上記PCパーツと比較して変動はみられませんが、SSDはNANDを使用した製品なので、PCメモリのように突然SSDの価格が急上昇することを考えておいた方がよいかもしれません。

特に、4TB以上の大容量のSSDから品薄になって価格高騰していくと考えられます。

既にミニPC製品などで有名な「MINISFORUM」は、2025年11月4日より製品ライン全体にわたる若干の価格調整を行う発表をしました。

価格調整のお知らせ
世界的な原材料価格の継続的な上昇に伴い、MINISFORUMは2025年11月4日より、製品ライン全体にわたる若干の価格調整を実施いたします。

他のメーカーも続々と価格改定していくことになるようであれば、PC界隈自体が冬の時代を迎えることになってしまうかもしれません。

私の予想は当然のことながら「当たるも八卦、当たらぬも八卦」です。

ひょっとしたら年末にはメモリやハードディスクの価格が暴落している可能性もあるかもしれません!!

私は安くPCパーツを買える日々がまた来ることを願っています・・・

数か月先の未来を想像しながら、楽しくPCパーツを集めていきましょう!!

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